新型コロナウィルス感染症の蔓延開始からはや1年、新しい日常が当たり前の日常になってきたと感じているKANEDAです。
前回の記事で「次回に延期します」と勝手に宣言した
4.LANケーブルと電源ケーブル(延長ケーブル)を並行に配線していませんか?
5.LANケーブルは規格に準拠したものを使っていますか?
について、今回は書きたいと思います。
今回の記事でも、普段の生活ではあまり触れないところ(テレビ台の裏側を想像してください)を見てもらう必要が出てくるかもしれません。
例によって、ホコリや汚れ対策は万全にお願いします。花粉症の時期でもあります。
※花粉症の筆者が見ているだけでムズムズしてくる画像です。
4.LANケーブルと電源ケーブルを並行に配線していませんか?
LANケーブルには「ノイズ」が大敵です。
ノイズとは直訳すると『雑音』のことですが、LANケーブルの世界においては周囲からの電磁的な影響のことを差します。
細かい説明は割愛しますが、複数のLANケーブルを並行に置いたときに、隣り合うLANケーブル同士を通る信号がノイズとなって通信速度に影響を及ぼすことがあります。
が、安心してください。LANケーブル自体にこのノイズ対策がされていることがほとんどなので、影響を実感するケースはほとんどありません。
(多数のLANケーブルを並行で設置することが多いオフィスでも、並行にひいたことで通信速度に影響が出ることはほぼありません)
いっぽう、一般家庭ではよくあるのが、LANケーブルと電源ケーブルを束ねて整理している姿。
この場合は、状況により通信速度に影響が出ている可能性があります。
なぜなら、電源ケーブルに流れる電気もノイズ源となるからです。電源ケーブル(延長ケーブル)で発生したノイズがLANケーブルを通る信号に悪影響を及ぼすことで通信速度が遅くなることがありえます。
ここまで偉そうにLANケーブルの配線がどうこう言ってきましたが、筆者宅のネットワーク配線は電源ケーブルと並行に置かれています。
この状態でネットワークの速度が遅いなどの実害は出ていませんが、避けるべき例として参考になれば幸いです。(白いものと黒いものが電源ケーブル、緑色がLANケーブルです。)
<確認と対処>
▼ WifiルータやPCにつながっているLANケーブルは、電源ケーブルと一束になっていませんか?
特に大きな電力を使う、IHクッキングヒーターなどの電磁調理器・電気ストーブ・オーディオ機器の電源ケーブルと、並行にLANケーブルを置いている場所があったら、電源ケーブルかLANケーブルを離して配線しなおしてみましょう。
正直なところ、一般家庭で使われる電力ではLANケーブルへの影響を及ぼすことはほとんどありませんが、LANケーブルと電源ケーブルは離しておいたほうがよいということと、その理由を認識してもらえばと思います。
5.LANケーブルは規格に準拠したものを使っていますか?
LANケーブルには規格があることをご存知でしょうか。LANケーブルは同じプラグの形、同じ見た目であっても、性能が違うのです。
量販店で販売されているLANケーブルのパッケージに
・カテゴリー6準拠
・CAT7
などと記載されていますが、「カテゴリーなんちゃら」「CATなんちゃら」がLANケーブルの規格を示しています。
(オフィスにあった、過去購入して使っていないLANケーブルです。)
「よくわかんないんだけど、結局のところ何買えばいいの?」
ごもっともです。
量販店に行くと多種多様のLANケーブルが並んでいて、迷うことと思います。
<対処>
この項目では先に結論から言いますが、LANケーブルを買うのであれば
1.カテゴリー6Aと示されているもの
2.LANケーブルを配線する場所の長さにあったもの
の条件に合致するものを購入すれば問題ありません。
LANケーブルの長さについては第2回で説明したので割愛します。
が、LANケーブルを買いに行く前に、LANケーブルを配線する場所の長さをざっくり測っておきましょう。
ものさしでも糸でもなんでもいいです。何かを使って長さを測り、必要なLANケーブルの長さを見立てておくことが重要です。
メインの「カテゴリー6Aと示されているもの」の解説をしますが、その理由は一般家庭において使われるIT機器は、現状では最大で10Gbpsの通信速度に対応する機器しか存在していないので、10Gbpsに対応するLANケーブルを購入すればよい、ということです。
「じゃあ、カテゴリー7とかカテゴリー8とかのLANケーブルでもいいじゃん。数字多いほうが高性能っぽいし」というご意見もあると思いますが、実は『カテゴリー7・8のLANケーブルは「規格に準拠していない」ケーブルである』ということはあまり知られていません。
また、LANケーブル自体の費用も高めであるケースが多く、規格に準拠していないものをあえて高いお金を払ってまで買わなくてよい、というのが筆者の考えです。
(そのケーブルを製造し販売しているメーカーや量販店を咎めるつもりはありませんし、実際のところは問題なくLANケーブルとして利用できます。)
カテゴリー7より数字の大きいLANケーブルは、規格上WifiルータやPCに接続できるプラグ(RJ-45といいます)は使わないことになっています。(例によって細かいことは割愛します)
ケーブル自体はたしかに高性能かもしれませんが、規格に定められた通りのプラグを使うことで正しい性能を発揮するので、前述のとおり10Gbpsに対応していて規格に合致しているカテゴリー6AのLANケーブルを利用すれば十分性能を発揮しますし、実利用において何ら問題はありません。
もちろん、10Gbpsの速度を必要としないことがわかっていれば、安価なLANケーブル(しつこいですが、必要なケーブルの長さは確認してくださいね)で十分です。
パッケージにCat5eというような形で対応規格が示されているものです。
「わたしの家には10Gbpsの機器はないし回線も1Gとかの速度だから、カテゴリー6Aとかの高いLANケーブルじゃなくてもでいいよね」
はい、そのとおりです。
注意事項として1つお伝えすると、10Gbpsの機器はなくても回線の最大速度が1Gbpsを上回るものを使っている場合には、少なくとも回線の機器とWifiルータの接続にはカテゴリー6AのLANケーブルを使ってください。回線のパフォーマンスをできる限り有効利用したいですよね。
(NTTのフレッツやNUROの回線サービスでは、最大2Gbpsといったサービスがあります。各々で自分が使っている回線サービスの内容を確認してみてください)
参考として、LANケーブルの規格と規格上の性能差をまとめました。
規格 | 最大伝送速度 | ひとこと |
---|---|---|
カテゴリー5 | 100Mbps | 問題ないが、あえて選ぶ必要性なし |
エンハンスド カテゴリー5 |
1000Mbps | 2021年初頭の段階では、これで十分 |
カテゴリー6 | 1000Mbps | 問題ないが、あえて選ぶ必要性なし |
カテゴリー6A | 10Gbps | 将来のことを考えたらこれ |
カテゴリー7 | 10Gbps | 規格に準拠していないので、選ぶ必要性は低い |
ということで、今回は
・LANケーブルと電源ケーブルは離して配線しましょう
・LANケーブルを買うときには、配線する長さにあった、カテゴリー6Aもしくはエンハンスドカテゴリー5のケーブルを買いましょう
の2点をお伝えしました。
LANケーブルは比較的安価ですし、量販店で簡単に購入できます。
家の中にあるLANケーブルをここまで解説してきた内容をもとに確認して、その家の環境にあうものに変えることでおうちネットワークが快適になれば、筆者は喜びます。
さて、今回でLANケーブルのお話は終わりにさせていただき、次回からは無線LAN(Wifi)の環境改善についてお伝えしていきたいと思っています。
無線LANが主流の昨今、筆者もリモートワークに切り替わってしばらくは、おうちの無線LANに苦しめられました。その経験と自分が対処した方法をお伝えしていきます。
ITインフラとガジェット大好きおじさん。気になることは調べてみる・やってみる・使ってみるがモットー。ただし、技術はからっきし。その昔はテレビの仕事をしてたとかなんとか。
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