寒さも増してきて、体調を崩しやすくなる時期ですね。
体ももちろんですが、いきいきと働くためには心の健康も大切です。コロナ禍での「テレワークうつ」なんて言葉も出てきましたが、働き方の変化によって、知らず知らずのうちに心のストレスが溜まっているかもしれません。
今回は産業医のK先生に働く上でのメンタルヘルスについて、気を付けたいポイントを聞きましたよ。
MINA
K先生今日はよろしくお願いします!
先生は弊社だけでなく、他の企業の産業医もしてらっしゃるのですよね。
K先生
そうですね。その他にも精神科のクリニックや総合病院で相談を受けることもしていますよ。
MINA
コロナ禍以前と比べて、メンタル面での不調を訴える方は多くなったと感じますか?
K先生
そうですね。コロナが無ければ体調は悪くならかっただろうなという人はいますね。不眠や食欲不振などの症状や、ご自身のメンタルの不調を感じて相談にいらっしゃるかたもいます。
睡眠と食欲に注意! キーワードは「自律神経」
MINA
「コロナうつ」「テレワークうつ」などの言葉も出てきていますが、どんな症状があったらメンタルヘルスの不調を心配したほうがいいのでしょうか?
K先生
体調の面では、睡眠と食欲に影響が出ることが多いようです。
睡眠では、寝付けなかったリ、夜中に何度も目が覚める、日中に眠くなるなどの症状があります。
食欲に関しては、食欲不振や食べ過ぎといった症状がありますね。
MINA
こういった症状はどうしておこるのでしょうか?
K先生
キーワードは「自律神経」です。
自律神経は脈拍、血圧、消化管の働きなど、自分で意図的に動かすことのできない身体の働きを調整する神経です。
そして、自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成り立っています。交感神経が優位な時は、頭に血を送ることを優先するので、消化器官の動きは鈍くなります。
一方で、副交感神経が優位な時は、体の中枢よりも末端の方に血が行くようになるので、手や足がポカポカしたり、お腹が動いて消化活動をするようになります。
MINA
副交感神経が優位だと、リラックスした状態になると聞いたことがあります。
K先生
そうですね。コロナへの不安によって、交感神経がONになりやすい状態が続くと、本来リラックスできる場所でも、心が休まらなくなったりしてしまいます。
在宅勤務では出勤せずに自宅でPCや電話を使って働きますよね。そうすると、体は疲れていないけれど、頭は常にONの状態になっていて、仕事が終わっても副交感神経が優位な状態に入れずに寝つきが悪くなったりします。
さらに、出社していた時に比べて、食事のリズムが乱れやすくもなります。食事のリズムが乱れると、胃が痛くなったり、消化系器官に影響が出やすくなります。
MINA
在宅勤務の時はついついお昼を食べるのを忘れてしまいがちですが、これからは気を付けます!
コミュニケーションが苦手という人がさらに苦しんでいる場合も…
K先生
コミュニケーションの面でも注意したいですね。
もともと社交的・活動的な人がコロナのせいで体調を崩してしまったということもありました。
MINA
私は一人暮らしですが、在宅勤務で打ち合わせもない日は、人とコミュニケーションをとることがほとんど無くなることに気が付きました。
K先生
なので、家族や友達、親しい人とは用事がなくても定期的に連絡をとるというのが大事だと思います。
MINA
テレワークが広がり始めたころは、職場の人間関係に悩まずにすむという意見もありましたよね。
K先生
実は、コミュニケーションをとるのが苦手だった人も苦しんでいる可能性があります。
MINA
どうしてでしょうか?
K先生
テレワークによって相手の顔が見えない分、対面で仕事をしていたとき以上に質問や電話をするタイミングが分からず、辛いという人もいます。
上司との関係がうまく行っていなかった人が余計に悪化してしまったというケースもありました。
「大丈夫?」ではなく、具体的な質問を。定期的な質問タイムを設けるのも〇
MINA
同僚が苦しんでいたら助けたいと思いますが、どうしたらよいのでしょうか?
K先生
テレワークをしていると、相手の状況や変化を感じ取る場自体が少なくなるので、定期的に声をかける場をつくることが大切だと思います。あとは、「大丈夫?」ではなく具体的な質問をしてあげることも重要です。
MINA
確かに、「大丈夫?」と聞かれたら「大丈夫!」と答えてしまいますね。
K先生
特に、普段から他人に配慮したり、気遣う人は「大丈夫」と言ってしまいがちなので、周りが気にかけてあげると良いですね。
MINA
WEBだとしても、顔を見て、仕事ではない話をする時間を定期的に持った方がいいということですか?
K先生
WEBでも雑談的な時間があるといいですね。
とはいえ、プライベートなことだと話しにくいこともあると思うのでお題を決めてみたりしてもいいかもしれません。皆でオンラインで一緒にお昼を食べるとか、新入社員に同じお弁当を手配して、一緒に食べるなんてことをしている企業もありますね。
MINA
新入社員や新しく職場に入った人は、テレワークだと自分から声をかけたり、質問したりするのも難しそうですよね。
K先生
なので、「分からないことがあったら質問してね」ではなく、質問のための時間や何でも話したり聞いたりしていい時間を定期的に設けるといいと思います。
自分でスイッチを切り替える訓練をしておく
MINA
メンタルの不調にならないために、自分で意識したり、気を付けた方が良いことはありますか?
K先生
皆さん気が付くと交感神経が優位になっていることが多いと思うので、自律神経を整えることを意識するといいと思います。
自分がどんな時にリラックスしているのか、楽しく感じるのかを知って、リラックスするための手段をいくつか持っておくことが大事です。
逆に、その手段を使ってもリラックスできなかったリ、楽しく感じられない時は、うつ症状の傾向があると気がつくこともできます。
MINA
自分へのご褒美を持っておくことが必要なんですね!
K先生
他には、認知行動療法というものもおススメです。
認知行動療法は出来事に反応して、嫌な考えや不安な考えが浮かんでしまったときにどう対処していくかを身に付ける方法です。
例えば、久しぶりに出社して、あまり好きじゃない上司の機嫌が悪かった時に自分がどんな気持ちになるか想像してみて下さい。その時に、根拠なく決めつけていたり、白か黒で判断したり、何でも自分に関連付けて考えたりしていませんか? こういった自分の認知のゆがみを理解することが認知行動療法では重要です。
認知のゆがみについて知識として頭に入っていると、嫌な考えになった時に自分でストッパーをかけることができます。
そして、出来事に対して、うまくいった方法や行動をなるべくやるように学習していくことで、自分で前向きな考え方をできるようにしていくことができます。
MINA
自分でストッパーをかけられるようになると、必要以上に悲観的に考えずに済みそうです。
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K先生
他にも、マインドフルネスという考え方もあります。
瞑想や禅にも近い考え方ですが、例えば、川の流れや鳥のさえずりに集中して「川が流れている」「鳥が鳴いている」と意識を向けるといった「今、ここに集中する」という方法です。
マインドフルネスには様々なやり方がありますが、つまるところ自分の呼吸に集中して深呼吸できる状態にするということなんですよね。
マインドフルネスができると、どこにいてもリラックスした状態に自分を切り替えることができるようになりますよ。
MINA
今までは、家に帰るといった場所を変えることで、自然と入っていたリラックスのスイッチが、テレワークによって切り替えられなくなるのであれば、意識的にスイッチを切り替える訓練をしておいた方が良いということでしょうか。
K先生
そうですね。どこにいても深い呼吸ができるようになるといいですね。
慣れていない人は、5分でもかなり長く感じると思うので、1分から始めて見てもいいと思いますよ。
MINA
1分なら私でもできそうです! 先生今日はありがとうございました。
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