「女性活躍推進」が国を挙げて叫ばれる昨今、2022年には「働きたい女性が個性と能力を十分に発揮できる社会」の実現を目的として、女性活躍推進法の改正、そして同年「育児・介護休業法」の改正も順次施行され、「育休取得対象の従業員への周知と意向の確認」が義務化される等、企業側にはこれまで以上に育児休業が取得しやすい職場環境の整備も求められています。
ライフスタイル、ジェンダーの多様化と同時に、進み続ける働き方改革は人事制度・福利厚生制度の根幹からの見直しを迫っています。社員が安定的に高パフォーマンスを発揮するためには、安心して働ける職場づくりが必須課題。
今回は、女性社員の働きやすさやキャリアの発展をサポートし、社員満足度そして生産性を高めることに成功した企業が取り入れている制度をご紹介してきます。
「働きがいのある会社」3年連続1位を受賞している企業が取り入れる育コミュニケーション
Great Place To Work ® Institute Japan(以下、GPTW)が実施している「働きがいのある会社」女性ランキング部門にて、3年連続1位を受賞している企業では、復職率がほぼ100%だという!
どんな制度を取り入れているのかというと…
- 「産前産後休業、育児休業」
- 「時差出勤、時短出勤制度」「在宅勤務制度」
- 「家族出産育児一時金、付加金」「保育料補助制度」
- 「企業提携保育園制度」
おおよそ必要な制度が網羅されているが、それだけではもちろんない。ママと会社の溝をなくすために取り入れた「育コミュニケーション手当」制度がある。
具体的には、育休中に社員とのコミュニケーションをとるために、飲食代の補助をする制度であり、子どもを連れて上司とランチに行くママ社員もいる。
育休中も会社メンバーとコミュニケーションをとることで、会社の現状などの情報収集もでき、復職率の向上につながっている。
そして、妊娠・出産・育児の理解促進のための「ガイドブック」を配布する制度も。妊娠・出産・育児は女性だけではなく配偶者にとっても重要なライフイベント。周囲の理解は必須である。
当事者であるママ社員には「仕事と育児を両立する社員を支援するためのガイドブック」の配布をし、妊娠発覚から職場復帰までのスケジュール、本人の体のケアの仕方、役所・会社へ提出する書類や助成金等の申請方法、周囲のメンバーとのコミュニケーションの取り方などを記載している。
さらに、ママ社員へのガイドブックだけではなく「妊娠中、育児中の部下がいる上司のための教育ガイドブック」を配該当メンバーに配布し、産休育休制度と共に、一時的な欠員のための人員確保や引き継ぎなどの対応方法を記し、女性が今どのような状態なのか理解を深めることを推進していった結果、復職率がほぼ100%となったとのこと。
周囲からの理解を得られるかどうか、気持ちよく産休に入ることが出来るかは復職率に大きく関わってくることが明らかである。
スムーズな職場復帰をサポートする「育休復帰プログラム」の実施
育休復帰後の不安を解消するため「育休復帰プログラム」を設けている企業もある。
復帰する職場の上司や同僚に対する講座も用意し、復職率は96%となっている。
当企業は、女性社員の割合が高い企業のためママ社員が多く、女性が長く活躍し続けられるよう、制度などを柔軟に変更してきている。
子どもの急な体調不良などにも対応できるよう、2時間からの時間有給取得を可能にし、認可保育園に子どもが入れなかった場合は、転園できるまで、保育料を会社が補助している。
それに加えて、「育休復帰プログラム」では、復職前研修として、子どもの体調不良による仕事の中断や環境の変化によるママ自身の体調不良、あらかじめ想定できる事に対して、心構えや対処法を伝えている。
ママ社員だけではなく上司や同僚向けの「復職者受け入れの心得」の講座を開き、ここでも相互理解が得られるように工夫されている。
プログラムの参加者は子どもと一緒に研修に参加し、講座中は、会社側が手配したベビーシッターが子どもを預かるようになっている。ベビーシッターに預けて子どもと離れるという経験をすることも、復帰プログラムの一環とのこと。
同社では実際に復職の壁に直面した社員の声を聞き、その都度トライアルしながらより良い制度にアップデートし、100%の復職率を目指している。
企業内保育所の自社運営!
再び、GPTWが実施した「働きがいのある会社」従業員数1000名以上部門1位を過去に獲得した企業では、なんと保育施設の自社運営をしている。
- 利用時間は、月極、一時保育ともに平日の朝8時から夜20時半まで。
- 時間内であれば子どもの登降園も時間は問わない。
- フレックス制を利用して通勤ラッシュを避けた時間に出社ができる。
時間的な利便性だけではなく、社員のことを考えた以下の特徴がある。
- おむつやシーツなどは施設側で用意→手ぶら通勤ができる
- 子供の食事のみならず、ママパパ社員も一緒に用意された食事をとれる→仕事で疲れたママを食事の準備から解放できる
これらのサービスがあることは、働くママ(パパ)にとって精神的にも肉体的にも余裕が出来、パフォーマンスの向上にダイレクトに繋がるであろう。
利用料金はこれらのサービスをすべて含めて月額3万円、一時保育は1日2,000円。一時保育の申し込みは、事前に食品のアレルギー情報等を申請しておけば当日でも受け入れてくれるというフレキシブルさ!
同社では、「リモートワーク」や「ベビーシッターの費用サポート」などの案もあったようだが、“自宅にいて家事や子どもの面倒を見ながら仕事をするのはそう簡単なことではない”という、先輩社員の子育て経験から今の形になったようだ。
コストをかけて採用・育成してきた優秀な社員たちが退職してしまう方が、企業にとっては損失と考えられる場合もある。
大手企業だからこそ実現できたことかもしれないが、同じように企業内保育施設を持つ企業が増えれば、子育て世代だけでなく、今後子どもを設けたいという社員たちも安心して働くことができるだろう。
子連れ出社制度を取り入れている企業は他にもある。社員の中には、子どもが好きではないメンバーだっている。しかし、赤ちゃんの持つ純粋で偉大なパワーによって、周りの社員も自然と笑顔になる。
最初は他のメンバーに迷惑がかからないかと不安だったママ社員も、周りへの感謝の気持ちが湧き、バリバリと仕事をこなしていけるようである。
核家族化の現代に必要とさているのは、社会全体で新しい命を育てていくこといなのだろう。
さて、今回はワーキングマザーの復職に焦点を当ててきたが、女性活躍推進はママだけではなくすべての女性を対象としている。
次回は、別の視点から「女性が働きやすい制度」をお届け予定!
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