COLUMN『ChatGPT』で作るメールがどれだけ現実的か試してみた話

今年はいつになく暑い日が続いていますね。冷房が効いている部屋でも適度な水分補給をしましょう。この記事が掲載される頃にはちょっとでも涼しくなっていることを期待しつつ、例年通り扇風機だけで在宅勤務を続けているKANEDAです。

前回に続き、chatGPTを仕事に使えるのか? という話です。
KANEDAの本業のほうでは、chatGPTは「制約付きで利用可能」となっています。大きな制約としては、個人情報の入力が禁じられています。前回の記事にも書きましたが、chatGPTは入力された内容を学習することがあり、個人名や住所などの非公開情報を入力すると他の人の回答に個人情報が出力されてしまう可能性があります)
今回の記事では特に難しく考えず、一般的な単語を使って「仕事の思考に使えるか」を検証していきたいと想います。

今回は、最近流行りの
『リモートワークからオフィスワーク(出社して仕事)へzoom社が週2日の出社を義務付け』
『GMOインターネットグループが週2日の在宅勤務推奨を廃止』
を題材に、リモートワークに慣れきった人をオフィスワークへ戻すための周知メールを生成させてみました。

海外・国内とも、リモートワークからオフィスワークへの切り替えがニュースを賑わしていますが、リモートワークのメリットを享受していた人にとっては一大事ということもあり、いかにしてメンバーの納得を得るか、が重要だと考えています。

ということで、早速ですがchatGPTへの問いと回答結果を見てみましょう。

― Q:
あなたは10名のメンバーを抱える組織の管理職です。配下メンバー全員がフルリモートワークで業務していますが、週3日の出社に変更するにあたって、メンバーに出社を促すための説明を考えてください。500文字から1000文字以内で、メールで周知するものとします。

line

A
件名: 週3日の出社スケジュールに関する重要なお知らせ

みなさま、

こんにちは。私たちのチームがさらに成長し、進化していく中で、新たなステップを踏み出す時が来ました。今後は、週に3日間、オフィスでの出社を推奨することになりました。この変更は、私たちの組織とチームメンバー個々の成長にとって大きな意味を持っています。

この変更の背後には、いくつかの理由があります。

コラボレーションとコミュニケーションの強化: オフィスでの直接的なコミュニケーションは、アイデアの交換やプロジェクトの進捗管理において非常に効果的です。顔を合わせることで、より速やかな意思決定と円滑なコラボレーションが可能になります。

チームの結束力の向上: オフィスでの時間を共有することで、チームの結束力が高まります。新しいメンバーや同僚との関係を深め、プロジェクトに対する情熱を共有する場を提供します。

学習と成長の機会: オフィス環境では、他のメンバーからの学びや指導が容易に得られます。経験豊かな同僚から直接的なフィードバックを受けることで、スキルの向上が期待できます。

ワークライフバランスの維持: リモートワークの利点はそのままに、週3日のオフィス出社でワークライフバランスを保つことができます。通勤ストレスの軽減や家庭との調和を実現できます。

新しいスケジュールは次の通りです。

月曜日、水曜日、金曜日: オフィス出社
火曜日、木曜日: リモートワーク
このスケジュールは、柔軟性を保ちつつ、効果的なコラボレーションと成長の機会を最大限に活用するためのものです。個々の事情により調整が必要な場合は、遠慮なくご相談ください。

変更は次週から適用されます。どうぞ、今後も良いコラボレーションと素晴らしい成果を共に築いていきましょう。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

質問や懸念があれば、いつでも気軽にご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

[あなたの名前]
[職位]
[連絡先情報]

line

もっともらしい周知メールの原案ができました。
受け取る側としても、「まぁそうだよね。」と思える内容だと感じていますし、もし出す側だったとしても似た内容(理由付け)をするんじゃないかと想像しました。
ただ、この周知メール一発では、メンバーの一部(ここでは全部で10名のうち2名と仮定)が週3日出社に納得してくれないかもしれない、というパターンを想像してみました。

― Q:
このメールを受け取ったメンバーから、出社頻度を少なくしてほしいという申し出がありました。そのメンバーを説得するメール文章を1000文字以内で考えてください。できる限り優しい文体で、メンバーの意思を尊重する内容にしてください。

line

A
件名: 出社頻度に関するご意見について

お世話になっております。

まず、私たちの新しい出社スケジュールについてのご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございます。大切なご意見を真摯に受け止め、お話しをさせていただければ幸いです。

私たちのチームでは、週3日のオフィス出社を推奨しています。しかし、この変更が全員にとって適しているわけではありません。私たちの目標は、すべてのメンバーが快適に働ける環境を提供することです。

もし出社頻度に関してご懸念があるのでしたら、ぜひその理由をお聞かせいただければと思います。ご自身の状況や必要性をより理解することで、最適な解決策を模索できるかと考えています。私たちは、皆さんの声を尊重し、柔軟な対応を心がけたいと思っています。

もちろん、リモートワークを選択することも可能です。ただし、オフィスでのコミュニケーションやチームビルディングの重要性も忘れずにいただきたいと思います。オフィスでの時間は、お互いに学び合い、成長する機会となり得るものです。

どのような選択をされるにせよ、私たちは皆さんの幸福と働きやすさを第一に考えています。ご自身のニーズに最適な形を一緒に見つけていければと思いますので、ぜひお気軽にご相談ください。

今後とも、ご協力とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

よろしくお願いいたします。

[あなたの名前]
[職位]
[連絡先情報]

line

それっぽい説得メールになってきました(笑)。
懸念を抱いているメンバーに寄り添って、まずは理解をしてもらおうという建て付けの文章を作成してきました。
自分が受け手側だったら、「ちゃんと考えてるのね」と感じてしまう内容でした。

こう見ると、chatGPTは人の感情をある程度想像しているような気がします。が、実際は命令文(本記事では『Q:』とした部分)に条件を入れているので、その内容に合わせて文章を作成しているものと想像できます。

とはいえ、これでもまだ引き下がらない人がいるかもと仮定し、その人のペルソナを設定して噛み付いてみました。

― Q:
出社頻度を少なくしてほしいと言っているメンバーは、子供を保育園に送り迎えする時間だったり隙間時間で家事をしたりしているようです。その事情を加味し、妥協案を考えて提示してください。メールで送れるように500文字程度にまとめてください。

line

A
件名: 出社頻度についてのご相談について

こんにちは、

ご理解いただき、誠にありがとうございます。お子様の保育園送迎や家事の時間に関するご意見を受け、私たちもその重要性を理解しております。皆さんが快適に働けるよう、柔軟なアプローチをご提案させていただきます。

出社頻度を少し調整する案をご検討いただければと思います。週3日のオフィス出社を継続しながら、月曜と水曜の出社時間を午前10時から午後4時までとし、交通の利便性を高めます。金曜日についても同様の時間帯を検討いたします。これにより、朝のバタバタや保育園の送迎時間の緩和が期待できるかと思います。

ただし、プロジェクトやチームのスケジュールによっては、オフィス出社が必要な場合もあります。その際は、できる限り調整を図り、皆さんの状況を最大限に尊重いたします。

ご意見を共有いただき、私たちのチームの調整に役立てていただけることを願っております。何かご質問やご提案があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。

今後も、皆さんが充実した働き方を実現できるよう、全力でサポートしてまいります。

よろしくお願いいたします。

[あなたの名前]
[職位]
[連絡先情報]

line

結構妥当な落としどころを提示しているなぁ、という感想です。
出社の時間を短くすることで、リモートワーク環境だからこそ享受できていたものを継続しつつ、出社して仕事をする環境でのメリットも享受しませんか、という内容と感じました。
ただ勤務時間が短くなるだけでは報酬の見直しという議論に発展する可能性が想像でき、ここまで来るとメールでコミュニケーションするよりは1 on 1でしっかりと対面(Web会議でもいいんですが)で話をすべきと思いました。

今回のchatGPT利用では、以下を感じました。

  • 一般論の話を多人数向けに伝えるための整理は得意そう。合うシチュエーションでは使える。
  • 個別の条件がついてくると、一般論では太刀打ちできない可能性あり。そうなるとchatGPTの強みが活かせないかも。
  • 生成された文章は、微妙なニュアンス(フランクな感じだったり、かしこまった感じだったり)があっちこっち向いていて一定ではない。最終アウトプットの前に、しっかり内容確認をしたほうがよさそう。

chatGPTは、ちょっとした思考の整理や1段階目のアウトプットを手助けする、という使い方においては、大きな成果を発揮すると感じました。
chatGPTの特性や制限、利用にあたっての注意事項をある程度認識し、仕事に使えるように社内のルールづくりが必要でしょう。
今回、ここまでの記事を作成するのにかかった時間はおよそ30分、1つの質問に対してchatGPTが回答してくる時間は数秒と、非常に効率的だと思います。
いつか、自分も『メンバーを説得する』という場面に遭遇したときには、chatGPTを使って説得してみようと思います。そして、説得を完了できたときに「chatGPT使ってコミュニケーションしてたんだけど、気づいた?」を問いかけて、『仕事に使えるのか?』を実証してみたいですね。

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KANEDA

ITインフラとガジェット大好きおじさん。気になったことは調べてみる・やってみる・使ってみるがモットー。ただし、技術はからっきし。その昔はテレビのお仕事してたとかなんとか。

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