COLUMN福利厚生にフェムテックを導入しませんか? ~Femtechイベントに見る最新のフェムテック事情~

みなさん、「Femtech Japan 2023 Femcare Japan 2023」というイベントをご存じでしょうか。
去る2023年12月7日、「Femtech Japan 2023 Femcare Japan 2023」が、ザ ストリングス表参道で開催されました。5回目となる今回は、36の団体が出展され、5つのセミナーが行われていました。
そこで今回は、「Femtech Japan 2023 Femcare Japan 2023」に出展されていた企業の中から、働く女性のお悩みに寄り添った最新の福利厚生についてお話します。

■フェムキャリ (株式会社オノフ)

まずご紹介するのは、株式会社オノフが開発中の「フェムキャリ」です。
「フェムキャリ」は、女性管理職育成プログラムの提供と、更年期で揺らぐ女性の健康管理をLINE上で記録する「ゆるれこ」というセルフモニタリングサービスが掛け合わせられた、社員と会社をダブルでケアする女性の活躍推進サービスです。このサービスの開発のきっかけ(背景)には、「更年期ロス」といわれる更年期による不調で離職などせざるを得なくなったことによる経済損失が女性で年間およそ4,200億円、男性で年間およそ2,100億円、合計年間約6,300億円にも及ぶとの調査結果があるからです。
前回TUDOIの「更年期障害治療補助」(実は・・・・今、求められている制度「更年期障害治療補助」)の記事では、更年期症状が原因で仕事を辞めた40~50代女性が約9.4%とご紹介しましたが、これを経済損失として試算した場合4,200億円にもなるということなのです。
では、更年期症状で悩んだとき、どのような職場の支援を求めるのか? 調査した結果では、男女ともに「職場の誰もが更年期症状や対処法について理解できる研修」を最も多く希望していることがわかりました。

出典:(NHK「更年期と仕事に関する調査2021」、日本女子大学 周燕飛教授)

この調査結果をこれからの企業に求められる課題と捉え、いち早くサービスを開発しているのが「フェムキャリ」です。
では、まず女性管理職育成プログラムにはどのようなプログラムが用意されているのかご紹介していきます。
研修プログラムには、主に以下をテーマに研修を行います。

  • 管理職プログラム
  • 更年期リテラシー向上
  • 健康管理サービス活用方法

管理職としてのビジネススキルに加え、女性のライフイベントや疾病情報、その対策も含めた研修内容となっています。研修プログラムは女性だけでなく、上司や同僚も研修の一部を受ける仕組みになっており、企業側も女性の健康課題を共通認識として持つことができ、必要な環境整備や活躍推進につなげる機会が広がります。

■ゆるれこ

次に「ゆるれこ|更年期で悩むあなたへ、LINEで心と体の健康管理」では、LINEを使って毎日の気分と体調を記録します。記録内容には、主に以下を選択形式で記録していきます。

  • 今日はどんな気分だったか?
  • その気持ちに影響した原因は?
  • 今日の体調は?体調の原因は?
  • 体調メモ
  • 体重記録

気分や体調の記録のほかに月経期間も記録することができます。ちょっと数日記録するのを忘れると、ゆるキャラねこから「体調登録 待ってるにゃん」とメッセージが届き記録忘れを防いでくれます。記録した気分や月経の結果はグラフで表示されていつでもチェックできるので、自分の波を客観的にみることができます。
また記録した内容をまとめたレポートが月1回届きます。レポートには、1か月間の心と身体の状態に合わせたケアメッセージが届き、簡単にできるセルフケアや日常の過ごし方のアドバイスなども届けてくれます。このサービスには産婦人科医師が監修しているので信頼度も上がりますね。

「ゆるれこ」を使って毎日記録することは、更年期でイライラや不安で揺らぐ時期のセルフモニタリングになり体調の変化にあわせて対処できるようサポートを受けることで不調の改善につながります。
そしてここからが「フェムキャリ」の活躍どころです。女性社員には「ゆるれこ」を使いながら月初めに1回、前月を振り返って心身の状態についてのアンケートに回答します。すると、その結果は第三者機関に送られ、企業側にレポートが通知されます。さらに心身の状態に変化のある場合には、企業の管理者に直接アラートが通知されるので、適切なタイミングでケアすることが可能です。
女性にとっては更年期など揺らぐ時期でもキャリアを諦めなくていい、管理職になる目標を持てるなどのメリットが生まれます。会社側も社員の体調を把握することで、経験や実績が豊富な人材を確保することや優秀社員の離職防止、女性管理職の多数誕生など企業イメージの向上をはかるメリットが生まれ、社員と会社の相乗効果を生むことが出来ます。

■AMH(卵巣予備能)検査

こちらは、妊娠を希望するときに参考になる検査。
何を調べる検査かというと、AMH(アンチミューラリアンホルモン)値を測定して、卵巣の中に卵子がどれくらい残っているかを調べるための検査(血液検査)です。AMHとは抗ミューラー管ホルモンと呼ばれる女性ホルモンの一種で、「卵巣年齢を計る検査」と言われています。卵巣の中にある、これから育っていく卵胞(発育卵胞、前胞状卵胞)から分泌されるホルモンです。

出典:杉山産婦人科AMH検査|生殖医療科 杉山産婦人科 (sugiyama.or.jp)

AMH値が高いか低いかを検査することで、例えば「あれ? 私の数値、この年齢でみんなよりもかなり数値が低いな」となると、例えば何か早期の閉経が起きてしまうとことが考えられたりします。するとその後の人生設計がくるってしまうこともあります。そこでこの検査を健康診断のひとつとして、通常の健康診断だけでなくて卵巣のことも自分で把握しておきましょうということで、企業導入した場合破格のお値段で検査を提供しているのが、
表参道ARTクリニックです。
【公式】表参道ARTクリニック‐体外受精・顕微授精/東京・表参道駅1分 (omotesando-art.jp)
不妊治療専門クリニックで、高度生殖医療や卵子凍結などを行っています。検査の流れは、クリニックに受診して採血したらそのあと結果が送付されるようになっています。
AMH検査を企業導入する場合、契約料はかからず提携することで通常8,800円(税込)かかる検査費用が1,100円(税込)で受けられるということです。パートナー様は精液検査が550円で受けられるそうです。
あれ? 保険適用になるのかな? と思われた方がいらっしゃるかもしれません。2022年4月に新たに不妊治療が保険適用となりましたが、AMH検査が保険適用になるのは、高度不妊治療を行う際の採卵するための卵胞刺激法の薬剤投与量の調整のために実施する場合に限られています。卵巣予備能を把握するために行うAMH検査は自費となるのです。

すでに福利厚生にAMH検査費用補助制度を導入している企業も!?

あなたの会社はもう導入済み?福利厚生に○○ケアを入れるべき理由 | SDGs MAGAZINE

不妊治療を行っていない人にとっても、自分自身の身体の現在地を知り労わるプレコンセプションケアになります。健康診断のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

今後のFemtech Japanは開催されるかどうか気になった方、「Femtech Japan 2024 Femcare Japan 2024」6月12月に開催予定です。

今回はフェムテックと企業導入をキーワードにお話ししましたが、男性向けってあるの? と思われた方、「メンテック」という男性特有の健康問題に関連する製品やサービスも出てきています。またいつか機会がありましたらお話させていただきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

情報
Femtech Japan
出典
NHK「更年期と仕事に関する調査2021」
JILPTリサーチアイ第70回 働く女性の更年期離職
厚生労働省「令和4年版働く女性の実情」

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cosachi

健康に役立つ情報に敏感。食べること大好き。でもコレステロール値に危険信号がでているアラフォー。

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