INTERVIEW変わりゆく働き方・休み方を目から革新することはできないか? 常に進化を遂げる株式会社JINS 「JINS MEME」開発担当者に直撃インタビュー!

仕事もプライベートも垣根がなくなりつつある現代人にオススメな、活気的ウェアラブルデバイスJINS MEME。入手してからというもの、せっせとココロとカラダの状態計測マニアとなって、セルフケアも出来るようになりました。
さて今回はなんと、開発担当者である株式会社ジンズ一戸(いちのへ)さんに開発の経緯や推しポイントなど、貴重なお話を伺う機会をいただきました。

 

― JINS MEME 開発のきっかけについて教えてください。

弊社はメガネを開発して販売している会社なのですが、これまでもとても軽い「Air flame」というシリーズや、PC作業を行っている人の目を守る「JINS SCREEN」というシリーズなど、視力を矯正する以外の新しい価値をつけたメガネを積極的に開発して販売をしてきました。
そんな中 “もっと他にも色々な価値を生み出せるはず” という考えの元、R&D室という研究開発部門を社内に立ち上げて、目にまつわることその他諸々を調査・研究していました。

その中で、「脳トレ」を開発された東北大学加齢医学研究所の川島教授と議論をさせていただく機会があり「眼電位」によって目の動きを読み取る技術があること、そこから色々なことがわかるんじゃないか? というアイディアをいただいたのがそもそもの始まりです。

― そういったきっかけだったのですね。そこからどのようにして商品開発まで至ったのでしょうか?

もともとJINS MEMEの初号機は2015年に発売されました。本格的に開発開始したきっかけは、その数年前に関越自動車道での交通事故が起き、事故原因はドライバーさんの居眠りと報じられたことです。ちょうどその頃、先ほどお伝えした「眼電位」を計測する技術が世の中にあることを知り、 “では、我々はそれを活かしてどんなことが出来るだろう“ と考えていたのです。
弊社代表の田中が群馬県出身でして、自分の故郷の近くで事故が起きたこともあり『目は口ほどに者物を言うといわれている。』『目の動きからドライバーさんが居眠りしそうなことが分かったら、居眠り事故が起きなくなるかもしれない』と言い始めたのです。 “もしかするとメガネで眠気を読み取れるかもしれない” “そうしたら、メガネをかけるだけで仕事で運転されている方、通勤やレジャーで運転されている方の役に立つよね” という考えに至り、メガネに搭載できる小型の眼電位センサーの開発とアルゴリズムの検証、商品化を目指した動きが始まりました。

― 発想の転換が素晴らしいですね!(まだまだ開発秘話は続きます)

眠気を検知するドライブ機能はもちろん現アプリケーションにも入っていますが、 “その他にも目の動きでわかる事ってないかな?” と研究を続け提供可能になったのが、「集中」を測る機能です。
さらに、JINS MEMEは六軸センサーも搭載しているのですが、人間の頭というのは必ず身体の体軸上に乗っているものなので、  “メガネをかけていることで体軸の傾きがわかるのではないか?” と考え、慶応義塾大学スポーツ医学センター橋本教授と体の動きに関する研究も行いました。これが、初号機の始まりです。各機能に特化したアプリをそれぞれ提供していました。

― 「世の中の人に」ということですが、ターゲットとして設定されているイメージ層はありますか?

昨年10月に発売した次号機においては、私達のような現役世代として働いているデスクワーカーをまずはメインのターゲット層として考えています。主に、働き方や生活スタイルが多様化している方々ですね。
なぜなら、次号機はメガネだけでなくアプリ機能も一新し、基本となるJINS MEMEアプリに、ヘルスケアの観点で、BODY/MIND/BRAINの状態がリアルタイムに分かるだけでなく、解決するソリューションまでをセットに提案する機能まで盛り込んだためです。
コロナ禍以前から予兆はあったのですが、スマホでのメッセージを業務ツールとして普通に使うようになったり、デスクワークをしていても常にPCに通知があったり、土日でも働く仲間からの質問や急な招集があったりと、オンオフの切り替えやメリハリがつけづらい世の中になっていましたので、新しいヘルスケアデバイスとして、新しいライフスタイルを提供できるのではないかと。コロナ禍によって、「急に家で仕事しなくてはならなくなった方」も増え、その傾向に拍車がかかりました。
リモートワーク化が進み良いこともありますが、仕事の中でのメリハリだけではなくてプライベートのメリハリもつけられなくなったなという部分を個人でも感じます。
そんな時には、「JINS MEME」を、自分の状態や傾向を客観的に知り、集中が切れるタイミングで休憩を入れるなど、自分独自のルーティンを見付けることに役立てていただくことができます。

― 開発段階で苦労したことや、特にこれは大変だったなということについてお聞かせいただけますか?

沢山あるのですが、まずはメガネの本体に関して、現状スマートグラスとしても色々な商品が世の中に出ては消えという状況のようですが、我々が一番大事にしていることは「普段の生活を支えていくメガネであるべき」ということです。
弊社が出す以上は通常のメガネと遜色ないデザインで、自信を持ってかけていただけるものでありたい。なので、初号機では分散していたセンサーを、眉間に全て集約し小型化することにすごく苦労しましたが、かなり進歩した点だと思っています。

参照:JINS MEME

あとは、アプリ1つとっても苦労しかありませんでした(笑)。
中でも、MIND(ココロ)の状態・BRAIN(集中)は、我々が色々なケースのデータを取って意味づけをしていくというゼロから開発する状態でした。開発面ではそこが一番難しいところでしたね。
例えば「集中」といっても「○○な状態であれば良い集中状態である」という権威付けられたエビデンスというものが世の中に無いため実証実験によって、目の状態とその時のパフォーマンスを測りアルゴリズムを組んでいく必要があったのです。社内外問わず、各年代の男女さまざま、凄くたくさんの方のデータを取らせていただきました。

― 購入された方、使用された方からはどんな反響がありましたか?

やはり、購入して下さった方は興味を持って「JINS MEME」に触れて下さっているので、まず最初に『おもしろい! 』と言って下さります。他のツールやギアのデータとは違った生体データを見ることが出来るので 『興味深いデータがたくさん見られる』という評価をいただいています。
以外と他には無い機能だなと改めて思うのが「姿勢のデータ」もそうなのですが、日常生活1日を通し、“自分ってどういう状態だったんだろう” というのをメガネをかけているだけで記録できるツールは他に見かけません。
あとは「集中」に関しても、なんとなく「出来ている・出来ていない」という判断は皆さんご自身の中に記憶としてあると思うのですが、改めて計測されたデータを見ると “思っていた通りだった” “思っていた以上だった” “思っていたほどではなかった” という様々な発見があることをポジティブに捉えていただいております。

― 本日かけているメガネは「JINS MEME」ですか?

はい。お恥ずかしい事に朝からかけているのに「集中」がまだ「2時間」のみという計測結果になっています(笑)姿勢も悪くなっているので気をつけないと(笑)

― デスクワークをしているとどうしても前かがみになりますよね(笑)普段一戸さん自身が「JINS MEME」を使用していて実体験として活かせているエピソードはありますか?

コロナ渦前から「JINS MEME」の次号機アプリの開発をしていたものの、結果として、今本当に必要とされる機能を搭載できたと思っているんです。以前は通勤して会社で仕事して・・・という生活スタイルでしたが、今は家の中で仕事をしていることが多く、歩いている時間が圧倒的に少なくなりました。なので、予想はしていましたが「Life log」のデータ記録を日々見ていると以前は「歩き時間」が3時間くらいだった(歩いたり立ったりしていた)のですが、今は1日を通して良くても1時間くらいなんです。 
“これってちょっと人の身体としてまずいんじゃないか?” ということに改めて気づきました。こういう状況になっていることを皆さんに知ってもらいたいなと思いました。

参照:JINS MEME

― 開発者である一戸さんならではの推し機能も教えてください。

個人的に思い入れのある機能でもあるのですが「メンテナンス」の機能ですね。全て、3分以内でできるものになっています。もちろん、ストレッチやメディテーションなどは「Youtube」等でも気軽に探せるのですが、動画の時間が長かったり、広い場所を用意しなければならなかったりするものが多いんです。
その点、「JINS MEME」のメンテナンス機能に関しては、起きてすぐにベットで出来たり、仕事中その場で1分だけ出来たりと、短時間でスッと出来てスッと楽になれる機能です。
自分でも使っていて “あ~この機能があって良かった” と思えている機能なのでたくさんの方にもっともっと使っていただいて皆さんの生活の中で習慣として定着していったら良いなと思っています。

― 「そろそろメンテナンスを~」という通知機能もあるので、よくお世話になっています。 今後、開発されたい商品や着手しているものがあれば、教えていただけますか?

そうですね、商品全般で言ってしまうとたくさんあって妄想の話になってしまうので、「JINS MEME」に関して言うと、もっともっと皆さんの生活の中に入って行って、なくてはならない相棒みたいな存在になってほしいです。なので、それに足るような機能やコンテンツの追加を考えています。今、我々の想定し準備しているもの以外にもユーザーの方から “こういう機能が欲しい” というアドバイスを直接いただいたりコミュニケーションをとったりしながら機能を追加していきたいと思っています。

― さらなるアップデートを楽しみにしています! 貴重なお話をありがとうございました。

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MINA

仕事もプライベートも充実させたい派。転職してデスクワークに励む毎日。やっと仕事も板についてきたかなぁ。

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