INTERVIEW「好きを仕事にして最高のパフォーマンスを」 パラレルキャリアアナウンサー 長谷川朋加さんにインタビュー

「パラレルワーク」という言葉を耳にしたことはありますか? 2つ以上のお仕事、とくに本業を複数持つ働き方を指します。「副業OK」の会社も増えてきた昨今、働き方の自由度も上がり、自由にそしてアクティブに働いている方も増えています。
そこで今回はパラレルワークで夢を実践・実現している長谷川朋加さんにパラレルワークやお仕事内容についてお話を伺い、その可愛らしい容姿からは計り知れないほど活力に溢れるお姿を拝見することができました。
やりたいことがありすぎてウズウズしている人も、やりたいことが実現できずに悩んでいる人にも、一歩踏み出すきっかけになるのではないかと思います。

― 現在、アナウンサー・マラソンランナー・広報の3つのお仕事をされているのですね? パラレルワークをされていると伺っておりましたが、今は2つのお仕事がメインでしょうか?

ランニング関連の仕事もしているので細分化すると3つなのですが、アナウンサーとランニングはかけ合わされることが多いので、2つのお仕事がメインです。「日本一走るアナウンサー」として活動していることもあり、練習会のペースメーカーに関するお仕事やメーカーとのタイアップのお仕事など色々派生していく部分もあるので、アナウンサー×ランニングのお仕事が増えてきているのが現状です。
マラソン大会でMCとして呼んでいただける機会ではアナウンサーのスキルを活かせますし、ペースメーカーやメーカーとのタイアップ企画においてはランナーとしてのスキルを活かせていると思います。

― 走ることはもともと好きだったのでしょうか?

もともとはテレビのお仕事で、新人アナウンサーが走る企画でフルマラソンに挑戦したのがきっかけで好きになりました。
四国放送に勤めていた頃に2週間後に徳島マラソンに出てほしいというオファーをいただき・・・長距離走は苦手だったのもあり42kmをいきなり走ることに驚きと戸惑いを感じました。でも、ディレクターさんにせっかくお声がけいただいたことと、このきっかけがないと人生で1回もフルマラソンに出ることはないなと感じ、もしダメでも「大会までは2週間しかなかった、仕方ない!」と言い訳にもなると思って(笑)思いきって出場してみたのがきっかけでした。
完走は出来ましたが、自分より目上の方にことごとく抜かれていき “若者である自分は何をしているんだ! ” と触発され、もっと早く走れるようになりたいと感じるようになりました。それが今結果として仕事になったという形です。沢山いるアナウンサーの中でも、自分にしかない強み、自分を現す何かがあった方が絶対良いなとも思っています。マラソン大会だと沿道では無条件で応援してくださる方がいるのも嬉しいです。大人になって大勢の方からの応援を受ける機会って、なかなかなくなってくると思うので、ランニングの持つパワーって凄いなぁといつも感じています。
老若男女問わずあらゆるコミュニティもでき、とても楽しめています。第一印象的には、走れるように見られないのですが・・・(笑)月間だと400~500㎞、1日15㎞は走っています。

― もう1つのお仕事が、お勤めになられているBNGパートナーズさんのお仕事ですね?

はい。ベンチャー企業で広報のお仕事をしています。元々広報がいない会社で、未経験可の募集があり応募したことがきっかけで、立ち上げから携わらせていただいています。
広報の知識がない私と一緒に頑張ってくれるという大きな決断をしてくれたので、私も覚悟を持ってお仕事をしています。
私自身のスキルアップにも繋がりますし、広報×アナウンサーは親和性が高いと思っていました。アナウンサーとしての経験も生かしながらアナウンサー以外の仕事でもバリューを発揮し、世の中に還元していきたいと思っていたので新たな挑戦として踏み出しました。
転職をご支援する会社なのですが、仕事って一日のうちの大半を占めるじゃないですか。そういう部分にご支援をさせていただけるのは、すごく社会的意義というかその方の人生に本当に寄り添えるお仕事だなと感じています。 

― 「ダブルワーク」と「パラレルワーク」の違いについて教えてください。

表現の違いかなと思っています。俗にいう「ダブルワーク」や「副業」は「本業」メインで生活をもっと豊かにしたいという「あくまで生活のため」という考えが根源にあるのかなと思っています。一方で「パラレルワーク」はライフワークの一部という形で、もっと自分の人生を豊かにしようとか、自分のスキルアップをしたいとか、自分の力をもっと世の中に還元したいとか、精神的な方に重きを置いているという違いがあるように思います。世の中的に言う「ライスワーク」と「ライフワーク」のようなものでしょうか。パラレルキャリア(パラレルワーク)は「ライフワーク」のように捉えています。私の場合、稼ぐための「ライスワーク」ではここまで続いていないと思っています。

― 「パラレルワーク」という働き方を知ったのはいつ頃ですか?

日本的に幅広く「副業」が解禁された頃ですね。局アナ時代から複数の軸を持って働く人を取材して、共感したのがきっかけです。私は常にやりたい事がたくさんあるタイプで、「やりたい事は全部やる」をモットーに生きているので「パラレル」はまさに私に合った生き方だなと思っています。

― その経験がパラレルワークを選んだきっかけでしょうか?

挑戦したいことが沢山あるというのももちろんですが、7年務めた局アナ時代にやりたかった仕事を運良くすべてさせていただいたこともあって、この先、広報の仕事を含め自分のやりたいことをすべてやるには社員である局アナを卒業しないといけないなと思ったんですよね。
「個の時代」と言われている世の中でもっと自分にしかできない仕事を確立していきたいと思ったのと、ランニングの仕事もしたかったのもあって、制限なく活動していきたいと感じるようになりました。これを機に去年の6月から上京して現在のお仕事の形となりました。

― 今の働き方を確立するまでに苦労したことはありますか?

広報の仕事に就くまでの過程ですね。一般の求人募集から応募したのですが、未経験であり且つテレビ局でずっと仕事をしてきてビジネスの知識も全くなかったので、結構苦戦しました。ただ当時福島に住んでいたのですが、今はオンラインで面接をしていただける企業がとても多く、この時代に助けられたと感じています。オンラインだからこそ色んな企業や色んな人とお話ができ、自分に合う会社に出会うことができました。

― どうやって複数の仕事とプライベートとのバランスを取っているのでしょうか? 大変と感じることはありますか?

個人的に仕事を労働と捉えていないこともあり、好きなことを仕事にしているので、休みが欲しいと感じることがあまりないです。それは局アナ時代から変わらず、プライベートとの線引きだとかオンオフの切り替えとかいう概念が元々無いですね。
直近で言うと11月、12月は1日も休まなかったように思いますが、それでも体調も崩さず楽しむことができました。
好きなことを仕事にしているというのがメリットの一つだと思います。あとはたくさん走って体力をつけているので、風邪をひかないというのもあります(笑)
苦労する点で言うと、1日24時間しかない中で有難いことにアナウンサーのお仕事の依頼が舞い込んできても、限られた時間の中で全部の仕事をお受けすることができない点ですね。
有難い悲鳴なのですが、そういった時間のやりくりに関しては今後の課題だと思っています。現在、広報の仕事は週5日フルタイムで働いています。それ以外の時間を使ってアナウンサーやランニングのお仕事をするとなると、少し圧縮されてしまうかなと思うので、今後は5:5でバランスを取れるようにスキルアップをしていきたいですね。務めている会社も応援してくれているので有り難いです。

― 今後の展望についてお聞かせください。

「日本一走るアナウンサー」として活動しているのですが、まずは第一想起される人でありたいなと思っています。SNSでこういった働き方を発信しているとご相談を受ける機会があるのですが、こういった働き方ってニーズはあるのですがロールモデルになる人が多くはないんです。なので、ロールモデルとまではいかなくとも悩んでいる人の後押しができるような活動ができたらと考えております。
BNGパートナーズでは広報としてしっかりと会社のことや働くメンバーのことを社外に知ってもらうために働きかけ、自分らしい広報スタイルを確立していきたいです。また、広報はパラレルキャリアを築いている方も多く、一緒にウェビナーを開くなど働き方の発信もしているのですが、これからも続けていきたいです。実体験をもとに身近な方たちのアドバイザーでありたいと思い描いています。

― 長谷川様のように働きたい人へのメッセージ・アドバイスはありますか?

いろんな方から相談を受け、自由度の高い仕事をしたい人って意外と多いんだなと感じています。
今はまだ「副業OK」という会社が絶対数としてはそれほど多くないのが現状のようですし、なかなか思うようにいかず、パラレルキャリアを築くことを断念した方たちも見てきました。
パラレルワークは複数のことを同時に進めるという点で、自己管理がとても大切だと感じています。どの仕事にも言えることですが穴を開けられないので体調管理に関しては基本中の基本ですね。私の場合、睡眠時間はきちんと確保していますし、アナウンサーなので喉のケアも忘れずに行っています。パラレルキャリアを築く上で稼働時間は長くなるケースが多いと思っています。実際に私もテレビ局で働いていた時よりも稼働時間が長くなっているので、好きではないことは本当に続かないと思うんですよね。なので、好きなこと・得意なことをベースにキャリアを築くのがおすすめです。好きなことを楽しみながらスタートし、気付いたらマネタイズにも繋がっていたという展開が理想のように思います。
まずは一つやってみる。その中からやりたいことが見つかるはずです。なかなか踏み出せない・・・という方も多いですが、半歩でも一歩でも踏み出してみると、見える景色が変わるので少しの勇気を持って前に進むのがよいと思います。
挑戦してみて初めて自分に合うか合わないかわかると思います。そうやって繰り返していく中で自分の強みや興味が分かってくると思います。色んな働き方があるんだということを、世の中に発信していきたいですね。

― 実現し続けている長谷川さんからのアドバイスは本当に説得力がありますね! 本日は貴重なお話をありがとうございました。


長谷川 朋加さん

■お仕事の依頼はDMへ
instagram : @hasegawatomoka
twitter : @tomokah0c_0
blog : 全開!はせがわ~るど♡
今後の活動予定 : 2022年4月23日「情熱ハーフマラソン」MC

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MAHO

働く女性を応援したいワーキングマザー。オンオフ問わず役立つ便利グッズに興味あり。 好きな言葉は「時短」。

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