リモートワーク・在宅ワーク・働き方改革…
近頃たくさん聞くようになった言葉たち。実際にはたらき方が大きく変わった人もいると思います。では、他の人はどんな“はたらき方”をしているのでしょうか?
テレワークをされている皆さん! 自分の会社でテレワークをしているのは、一体何パーセントくらいか知っていますか?
今回は、大胆にも毎日のテレワーク利用状況をWebサイトで公開している(!) CLINKS株式会社のBiさんにお話を伺いました。
― まずは御社のサービス・事業について教えてください。
弊社は主にIT系の事業で企業向けのシステムの運用をおこなっています。その中でも「ITインフラ」と呼ばれる、ネットワークやサーバーの運用業務が大きな割合を占めています。
その他には、アプリやゲームの開発や販売、ITエンジニアのテレワーク派遣などもおこなっていまして、先日テレワーク支援の新しいサービスも発表しました。
テレワークの利用状況をオープンに!?
― 御社はいつ頃から、テレワークを実施されたのですか?
テレワークのトライアルを2016年にまず社内の管理職からはじめました。今はテレワーク利用率が約7割程度ですが、コロナ禍以前は利用率がそこまで高くはありませんでした。
テレワークを事業化するにあたり、テレワークの専門部署をつくったのは2017年です。
― テレワークの専門部署ですか!
はい。IT業界の慢性的な人材不足解消のため、場所の制限で働けない優秀なエンジニアの雇用を生み出そうとテレワーク専門のITエンジニアの派遣サービス『テレスタ』を2017年にスタートしました。その部署に所属する社員はフルで在宅勤務なのでコロナ禍までに(在宅勤務に対する)ノウハウなどもたまっていきましたね。
また、テレワーク専門部署以外でも可能な部署では週1回以上テレワークをしてみようなどのテレワークの推進もしていました。
そして、新型コロナウイルス感染症の広がりをきっかけに、社員全体に対して「(在宅勤務を)やろう」となりました。
― 御社のWebサイトでは、その日の在宅勤務率と週の在宅勤務率が掲載され、テレワーク利用状況が一目でわかるようになっていることに驚きました。公開しようと思ったきっかけはありますか?
『テレスタ』やテレワーク支援ツールの開発をはじめ、弊社ではかなり積極的にテレワークを推進しようと考えているので、社内のテレワーク利用状況の公開を通じてそれを見える形でアピールしていこうと公開を始めました。
-きちんとした数字でテレワークの利用状況が分かると、すごく説得力を感じます。
― 新型コロナウイルス感染症の前から、トライアルを始められていたということは、テレワーク実施拡大はスムーズだったのでしょうか?
ノウハウはたまっていましたが、それでもやはり課題は出てきましたね。特にコミュニケーションの部分です。
2020年に(テレワークを拡大してから)全社員にアンケートをとったのですが、不足を感じているところで一番多かったのがコミュニケーションでした。
今どんな仕事をしているのかが判りにくいので話しかけづらいことや、Web会議をおこなうためのURLの発行・共有の作業が増えたりすることをデメリットと感じている人が多かったですね。
その他には、出退勤や働く場所の管理を(それぞれ)複数のツールで行っていたりすると労務管理が煩雑になるということもありました。
― コミュニケーションは、他の多くの企業でも課題になっていますね。御社では、なにか対策や施策をしていますか?
オンラインでの交流イベントを実施したり、リモートの飲み会を開催したりしています。
そこに会社として補助を出したりしています。
― その他に、何か支援制度などはありますか?
テレワークのために新しく購入した椅子や机の購入補助を行っています。これはけっこう好評ですね。家具通販のグループ企業があるので、そこで購入した際の半額を補助する制度やモニター購入費の半額を補助する制度もあります。
― こういった制度は社員の皆さんの要望があって作られたんでしょうか?
2017年から専門部署がテレワークを実施していたので、そこで「こんなものが必要だ」という声が上がり、改善するために支援制度を整えていきました。さらに、(今回テレワークが広がるにあたり、専門部署が)アドバイスなどもしました。
テレワーク専門社員
―「テレワーク専門社員」という形の採用もされているとのことですが、実際にどんな方が働いていらっしゃいますか?
テレワーク専門社員は、『テレスタ』の社員ですが、全国各地にある自宅から働いていますね。初めのころは、コミュニケーションに対する不安もあったのですが、そこをカバーするようなツールや、セキュリティに関しても万全なシステムを用意しています。
― テレワーク専門社員の方には、一度も本社に来たことがないという方もいらっしゃいますか?
そうですね。そういう社員もおります。
― コロナ禍になって、そういった働き方を希望する方が増えたりや、大きな反響があったのではないですか?
事業拡大に伴いもともと採用活動は積極的におこなっていましたが、コロナ禍によりテレワーク専門社員だけでなく、通常のご応募もすごく増えました。
― テレワーク専門社員の方がスムーズに仕事をする上で、特に御社が重点を置いてケアをしているのはどんな点ですか?
やはり、日ごろからのコミュニケーションですね。テレワークでは、どんなことをしていて、どんなことで困っているのかを知ってもらうことで業務が円滑にできると思います。
そのために、数人規模の社員同士の飲み会や全社規模のオンラインイベントを開催したりしています。
― 一緒に働いている方の顔や人となりが分かっているということが、テレワークでスムーズに働くためのポイントになるということでしょうか?
そうですね。そこはかなり重要だと考えています。加えて、利用するツールというのも大事だと考えています。こちらに関しては、自社で開発した「ZaiTark(ザイターク)」というシステムを使うことでシームレスなコミュニケーションができるようにしています。
在宅勤務に特化した新サービス『ZaiTark(ザイターク)』
― 2021年3月31日リリースされた新サービス『ZaiTark(ザイターク)』について教えてください。
オンラインコミュニケーションと労務管理が一つで完結するテレワーク支援ツールになります。2017年からテレワークをおこない、コロナ禍でさらに社内のテレワーク実施者が増えたことで見えてきた課題を改善するために開発をしました。
画面キャプチャで他の人の状況がリアルタイムでわかるため、話かけるタイミングをはかりやすくなります。
また、ワンクリックで個別の会話や大人数での会議が開催できるため、Web会議設定にかける労力を削減することができます。
さらに、出退勤のログをcsvで取得できるので、既存のシステムにも簡単に導入できるようになっています。
「ZaiTark(ザイターク)」を使用することで、テレワークを実施する際に必要な機能が1つのWebページ上で完結します。
登録は簡単で、無料でお試しもできるので、ぜひ体験いただけたらと思っています。
10人以下の場合であればずっと無料なので、まずは小さいチームから導入していただき、広げていただければなと考えています。
― 社内ですら、使用しているツールが統一されていないということもあるみたいですし、すべてが一つで完結できるのは手間が少なくなっていいですね。
そうですね。テレワークを行う際のちょっとしたストレスも積み重なると大きなロスになるので、ぜひご活用いただきたいと思います。
イベントは自由に手を挙げて主催者に
― 御社では、すごく多様なオンラインでの交流促進のイベントを実施されていると思うのですが、イベントのアイデアはどこから出てきているのですか?
新入社員歓迎会は事業部ごとの持ち回りで実施していますが、それ以外のイベントはやりたい社員や事業部が自由に手を挙げて開催していますね。
社員の発案で、怖い話大会やすべらない話大会、ゲーム大会なんかも開催されましたね。
― こういったオンラインイベントはコロナの前から実施されていたのですか?
コロナ禍の前は基本的に対面で行っていました。
エンジニアを派遣するという事業の性質上、会社への帰属意識の低下というのが課題になっていました。なので、できるだけ本社・拠点に戻ってくるという環境をつくりたいと思い、定期的なイベントの開催によってそのきっかけづくりをしていました。
現在は対面での実施が難しい状況なのでオンラインで実施していますが、逆に参加をしやすくなったという声も多く聞くので、今後も続けたいと考えています。
― ちなみに、一番好評だったオンラインでのイベントは何ですか?
どれも好評なんですけど、グーグルマップのストリートビューを利用した「GeoGuessr(ジオゲッサー)」というゲームは盛り上がりましたね。
コロナ禍で出かけられない中、旅行気分を味わったり、社員同士で推理を楽しんだりしてもらえたと思います。
これからの“働き方”について
― これからの働き方についての展望を教えてください。
CLINKSでは、コロナ禍の前からテレワークに取り組んできました。ですので、これからも勤務形態に縛られるのではなく、仕事内容やそれぞれの状況にあわせて、生産性を最大化できる方法で働くことが大切だと考えています。
実際に、テレワークの他にも様々な働き方改革に取り組んでおり、大阪市からは女性活躍リーディングカンパニーの市長表彰、経済産業省からは健康経営優良法人2021でブライト500を頂くなど、弊社の取り組みが認められています。
今後も社員の働きやすさや、生産性向上の施策の一つとしてテレワークを推進していきたいと考えています。
― たくさんの賞を受賞されていることからも、御社の働き方改革への意識の高さが感じられますね! 本日はありがとうございました。
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