INTERVIEW自分軸でのキャリア選択 「 どう生きたいか?でキャリアをきめる」ポジウィル株式会社

27歳・独身・彼氏なしの私が30歳まで仕事にフルベットする理由』このタイトルのnoteを見つけて、ぜひこの人にお話しを聞きたい!と取材をお願いしました。

このnoteを書かれたのは、キャリアのパーソナル・トレーニングサービス「POSIWILL CAREER」を展開するポジウィル株式会社で広報・カウンセラーをされている齋藤さん。

どう生きたいか?でキャリアをきめる。」とは、どういうことなのか?
ご自身も転職を2回経験されている齋藤さんの自分の軸や働き方について、お話しを伺いました。

「その人の人生にとってどうするのが良いのか」という観点でサポートをする

― 転職をするとなると、多くの人がまずは転職エージェントに登録すると思うのですが、そういったサービスと御社のサービスの違いはなんでしょうか?

求人票を紹介しないので、どこかに転職してもらうことが目的ではない、ということが1番の違いですね。
また、個人の方にお金をお支払い頂くサービスなので、転職しようとなかろうとその方にとって最適なキャリア設計とはなんなのか、という観点で利害関係なくサポートをしています。
私たちのサービスでは、求人を探す前に「キャリアの軸」を考えるところからサポートをします。どんなところで働いたら自分の強みが活かせるのか、自分の人生にとってより良い選択とは何なのかを一緒に考えていきます。
その上で、転職活動までサポートする場合は、様々な媒体から一緒に求人を探して、世間一般的ないい企業ではなく「自分の大切にしたいキャリア設計が可能な企業なのか?」を分析・整理し、その方が定めたゴールを達成できるようにサポートしていきます。

キャリアの棚卸しの前に人生の棚卸し

― 転職をするときには、キャリアの棚卸しが必要だとよく言われます。実際に私も転職を経験して、この棚卸しがすごく難しいと感じました。

プログラムでは、キャリアの棚卸しの前にまず人生の棚卸しをします。
家庭環境、ご両親との関係、友達関係、これまでどんなネガティブ/ポジティブな経験をしてきたのか。人生理解みたいなところですね。
過去を振り返ってみると思考の癖が見えてくるんです。例えば、家族の期待に応えられなかった自分を「こんなこともできないなんて、ダメな人間だ」と責め続けていると、自己肯定感が下がっていきます。自己肯定感が低い状態だと自信が持てないので、前向きな選択が難しくなってしまいます。
そこで、私たちが寄り添って「家族の期待に応えられなかった自分」をどう受け入れるか一緒に考え、対話や質問を通じて過去の体験や考え方の癖を少しずつほぐしていきます。
キャリアの棚卸しについても同様に、やってきたことを羅列しながら、その中で「あなたが工夫したところはどこですか?」や「なんでこの結果が出たのか?」、そもそも「なぜ、それに取り組もうと思ったのか?」など、第三者視点からコーチング形式でやっていきます。

― プログラムを通して見えてきた『自分』を受け入れることが難しいこともありそうです。

そうですね。本人に覚悟がないと難しいかもしれません。
「その考え方をしていたら、解決しないですよ。」という耳が痛くなる話もしますし、最初は驚き、どうしたらいいか分からなくなる方もいらっしゃいます。受け入れづらいことだからこそ、時間をかけてマンツーマンで一緒に向き合っていきます。
毎日、「今日こんなことがあって、私はこういう感情だった。なので、次はこうしていきます。」と報告していただくなど、トレーナーとユーザーさんの間でチャットをして、入り込んでやっていきますね。

― すごく密ですね。

― 自己開示や心理的安全性が大事とも言われますが、正直なところ、職場ではなかなか難しかったりしますよね。
自分のモヤモヤを第三者の人に聞いて貰えるというのがいいですね。

本当にそうだと思います。友達でもなく家族でもないので、言ってしまえば、トレーナーの私たちにどう思われようと人生でそんなに関係ないというか。
なので「全部言って大丈夫ですよ。全部受け止めるし、こちらもなんともならないですよ。」とはお伝えしてますね。信頼関係はすごくあると思います。

やりたいことがあるわけじゃないけど、このまま現職に居続けることが正しいとも思えない

― 主にどんな人がサービスを利用してらっしゃいますか?

20代の方が多いです。30代前半の方もいらっしゃいますが、メイン層は20代ですね。
「いい大学に入って、名のある会社に入れば安泰だと思っていたし、今も待遇に不満はないけれどなんだかモヤモヤする。」「親の期待に応えてきたけど、このままでいいのか分からない。」
「そもそも何に悩んでいるか分からない。」というようなお悩みが多いです。

― やりたいことはないけど、今の職場には違和感がある方が多いんですかね。

「年収が極端に下がったり、合わない環境に行くのは嫌だけど、定年までこの会社にいるのは違う。」と葛藤を持っている方が多いと思います。

画像出典:POSIWILL CAREER

― 今の世の中が「自分で考えて選びなさい。そのための選択肢はたくさん用意してるよ。」という感じになっていて、自分で選択することの重さに苦しんでいる人が多いのかなと思います。

おっしゃる通りだと思います。社会に出るといきなり選べと言われるじゃないですか。
それまでは「勉強しておけばいい。いい大学に入れればいい。」みたいな正解のようなものを押し付けられるけれど、2223歳位になっていきなり「はい。じゃ、選んでください」と言われても、それは選べないですよね。そこの教育とのギャップで苦しんでいる人はいるんだろうなと思います。

「あなたの人生ですよ。」

―印象に残っている相談はありますか?

社会人2・3年目くらいの方のご相談ですね。その方は兄弟の中で自分だけ大学に行くことができたこともあって、自分の夢を叶えるよりご両親を安心させるような職業に就かなくては、と大手企業の事務職をやっていました。
でも、合わなかったようで、毎日が辛いとカウンセリングにいらっしゃいました。
「ご両親に褒められたい」「与えてもらった分やらなきゃいけない」と思って生きてきたそうなんですが、「それは本当にご両親から言われたんですか?」と聞いたら、実は一言も言われてないんですよ。
「ご両親に報いたい気持ちも素晴らしいけれど、あなたの人生ですよ。」ということをお伝えしました。自分の思い込みからどんどん解放されて、12回目のトレーニングですごく表情が変わったのが印象的でした。
結果的にその方は転職を決めて、自分のように苦しんでいる人を助けたいと、キャリアコンサルタントの養成講座に申し込まれて、さらにスクールカウンセラーになりたいと一気にキャリアチェンジをされましたね。

― すごいですね! 誰にも言われていないけど、自分で思い込んでいることを気づくって難しいですよね。

「自分は大したことないな」と思っている方は、いくら自己分析しても、全部の結果が「自分は大したことないな」となってしまいます。
例えば、全国大会に出場したけど、勝てなかった自分は大したことないという人がいたら、「その考え方だと、全国1位とか世界1位にならないと、あなたはずっと『大したことない自分』になりますよ。」という話はしますね。

― 相談を受けている中で、齋藤さん自身で変わったことや気づきはありますか?

人の人生に向き合う仕事をしている以上、自分自身が迷わないように意識しています。上手くいかない時やモヤモヤした時は、根本原因を突き止めるというか、常に自分で問いを立てるようになったと思います。

― 素敵ですけど、ちょっと疲れちゃいそうだなと感じました。

そうですね。でも、逆になぜか分からないけど、モヤモヤしているのをそのままにしている方が気持ち悪いなと思うようになりました。

本当に自分が価値があると思えるものじゃないと頑張れない

― 齋藤さんは2回転職をしたと伺ったんですが、1回目の転職ではミスマッチがおきたんですか?

いえ、むしろ、思い描いていた通りの環境でした。ここにいればビジネスマンとして成長するだろうなと感じましたし、ありがたいなと思って頑張っていましたが、自分が思っているものと会社としての価値や基準に違いがあることが分かって。
何でも頑張れると思っていたけど、本当に私が価値を感じられるものじゃないと意外と頑張れないんだなということが分かりました。
自分が本当に必要だと思うことに自分の力を使いたいと思っていることが分かって、すっきりしましたね。

― 最初はポジウィルの代表の金井さんにTwitterDMを送ったと伺いました。

画像出典:POSIWILL CAREER

その時は、迷っていたというか、自分の人生の方向やどう生きたいかが分からないのはまずいなと思っている時でした。
そんな時にポジウィルを見つけて、「どう生きたいかで、キャリアをきめる。」というサービススローガンに「本当にその通りだな。」と共感しました。
Twitterを見ると、社員の人は生き生き働いているし、代表は事業への信念とメンバーへの愛情にあふれているしで、「社会人でそんなことある?」と思っていたら、営業出身で広報をやりたい人を募集しているという金井のツイートがあって、DMを送りました。

― 未経験の広報として入社することに不安はありましたか?

あまりなかったですね。目指したい先が代表と一緒だなと思ったので、広報・PRでも、どの配置でもいいなと思っていました。
お渡しした名刺には広報・PRとありますが、カウンセラーやトレーナーがいるチームのリーダーもやっています。この会社が成長するために、使えるものは使ってもらおうという思いだったので、拘りはなかったですね。
私には特化しているものは無いかもしれないけど、持っているエネルギーや進めていく力が自分の強みだと思っているので、それが足りていないところに行くのが会社にとって良いことなのかなと思います。

自分の人生にとって、この会社にいることがいいのか

― 今仕事をする上で、齋藤さんが大切にしていることはどんなことでしょうか?

同じ目的のために頑張れる人と働けることを重視しています。お金のため、安定した生活のため、など様々な頑張る目的があっていいと思っているのですが、私は「この事業を伸ばすため」に働いているし、同じように思える人と働きたいと思っています。
あとは、この会社にいることが、自分の人生にとっていいのかという点は大切にしています。
今は自分の人生にとってポジウィルにいることが最適解だなと思いますけど、もしかしたら会社のフェーズや私の人生の変化で、それがずれていくタイミングがあるかもしれないとは思っています。

― Twitterで社内のことを動物園みたいとつぶやいてるのを見かけましたが、様々なメンバーと価値観を揃えるのは大変じゃないですか?

ポジウィルには、「ゴール思考でいこう。」「自分から動こう。」「素直に語ろう。」「違いを愛そう。」「とことん学ぼう。」という5つのバリューがあるんですが、そこに合致しているかというのは、採用の段階ですごく見られます。なので、入社してからの価値観のミスマッチは少ないですね。
1on1も独特で、悩んでいることに寄り添いつつも「そもそもその悩みは、本当にユーザーさんのためなんだっけ?」という、ある種厳しいコミュニケーションをとったりもします。「それはユーザーさんのために悩んでいるのか、自分のために悩んでいるのかどっちなの?」「それってゴール思考じゃないよね。」みたいなコミュニケーションは多いですね。

― コーチングという事業をされているからかもしれませんが、深堀りして明らかにしていくんですね。

あとは、「立場関係なく言うべきことは言う」という文化があります。

― 先ほどのバリューの「素直に語ろう。」「違いを愛そう。」というところでしょうか?

そうですね。最初は私もあまりできなくて、代表に「なんで、のみこむの?」と言われていました。
言わないことが相手をダメにするって分かっている?」という言葉に、確かにそうだなと思って、そこから変りましたね。

決めちゃったら楽

― 齋藤さんのこれからの働き方や生き方について、思い描いていることはありますか?

キャリアについて、社会に出てから迷うことをイケてないなと思っています。それを解決するためには、もっと根本の日本の教育自体が変わっていかないと意味が無いなと感じているので、キャリア教育にとても興味があります。
今は社会人のキャリア領域で事業を展開していますが、今後もっと若年層や領域を広げた時にそれ(事業)を動かせるくらいの力を付けておきたいなと思っています。これからは、会社を作っていくだとか経営していく勉強もしていきたいです。
ここで頑張らないと後悔するなと思っているので、30歳までは仕事にフルベットすると決めちゃったら楽だと思って(笑) 一旦、「私は30歳まではこうすると決めたので」と自分を楽にして、頑張ろうと思っています。

― かっこいい! お話しをしていてすごく楽しかったです。ありがとうございました。

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MINA

仕事もプライベートも充実させたい派。転職してデスクワークに励む毎日。やっと仕事も板についてきたかなぁ。

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